ダイナー(平山夢明著)
■2010年4月16日
新聞の書評で絶賛されていたホラー小説です。
ホラーは苦手分野なのですが、少し自分を開拓しようと読んでみました。
グロテスクな描写に何度も気持ち悪くなりましたが、だんだん慣れてきて最後まで読み切れました。
殺し屋しか来ない(来れない?)定食屋「キャンティーン」で雇われた(買われた?)主人公のオオバカナコと、そこのマスターであるボンベロを中心としたお話。
死んでしまった方が楽ではないかという酷すぎる状況に主人公は翻弄されまくるのですが、そこから何とか生きていこうとする逞しさや希望も生まれ、徐々にアイデンティティを掴んでいきます。
一方で定食屋で出される料理がなんとも美味そうで、特にハンバーガーの下りは特に「力」入ってます。
個性的なお客さん(殺し屋)もたくさん登場しますが、ボンベロの相棒(愛犬?)ブルドッグの菊千代が随所にいい味を出しています。
現実には関わりたくない世界ですが、不思議と引きつけられている自分が少し怖くなりました。
また読んでしまうかも。