思考の整理学(外山滋比古著)
■2009年12月22日
今日は冬至ですね。お昼のニュースではゆず湯に気持ち良さそうに浸かっているおじいちゃん、おばあちゃんの姿を見てほっこりした気持ちになりました。
こんな寒い日はお風呂にゆっくり入って温まりたいですね。
さて、20年以上も前に出た古い本ですが、「東大・京大で一番読まれた本」という帯コピーにつられて読んでみました。
以前、同著の「忘却の力」を読んだ際に、”忘れること”を前向きに捉えた面白い視点の本だとは思いつつも、全体的には何を言いたいのかよく分からない部分が多かったので、半年程たった今、再チャレンジのつもりで読んでみました。
この本も色々なエッセイから構成されているのですが、問題提起をたくさんしながらも(私の読解力が足りないためか)時には矛盾したことが書いてあるようにも思えました。でも、そこを自分で考えなさい!!と言われているようで、読む人の姿勢を問われているようでもありました。
この本では、「(受動的に)知ること」よりも「(能動的に)自ら創造的に考えること」が大切であると繰り返し書かれていました。
社長もよく、今時の若いもんは〜と同じようなことを言ってます。。。自分の頭で考えろ、考えろ、考えろ〜 です。
前者をグライダー人間、後者を飛行機人間として、学校はグライダー人間の訓練所であり飛行機人間は作らないと、学校教育の弱点を指摘しています。確かに学校では引っ張られるままにどこへでも着いていく従順さが尊重され、勝手に飛び上がる飛行機は迷惑な存在となります。
しかし、グライダー能力だけで安心できない事態が起きました。コンピューターの出現です。
コンピューターというずば抜けたグライダーが表れたため、飛行機人間にならないと、コンピューターに仕事を奪われます。記録は失わず、必要とするときは引き出せるコンピューター、そのコンピューターのできないことを人間がやらなければ人間の価値が危ぶまれる、と説いています。
指導者がいて、目標がはっきりしている時はグライダーが力を発揮できるが、新しい文化の創造には飛行機能力が不可欠。これからの人間は、機械やコンピューターのできない仕事をどれくらいよくできるかによって社会的有用性に違いいが出てくることははっきりしている。と締めくくられていました。
飛行機能力は企業が持続していく中で最も必要な要素だと思います。その能力を創り、高めていくのが社員同士のコミュニケーションや、それをしやすくする環境なのではないかと思い、読みすすめました。
他にも、記録は大事だが、忘れること、破棄すること、考えを寝かせることも大事だと繰り返し書かれています。
迅速に行い、結果を出すことを求められる現実の仕事の中で、なかなか寝かす、熟成させるということが実践しにくいジレンマがありますが、よくいう選択と集中という考えもこのような背景から出てきた言葉なのではないかと思いました。
現在のようにコンピューターが一般的ではない時代にもうコンピューターの将来をただの計算機ではない、記憶と再生の人間的価値を揺るがすものだと捉えている所は驚くべき先見性だと思いました。
この本を読んだ東大生・京大生はいったい何を感じるのだろうと、最後はそっちに興味がいってしまいました。
今日のブログはよく整理できませんでした。タイトルを見て、がっかりです。。。