忘却の力(外山滋比古著)
■2009年3月4日
一時期、「記憶術」に関する本が流行りましたが、
その反対語とも言える「忘却の力」って何だろう?と思って手にとりました。
近代社会は知識信仰が根強く、知識は広ければ広いほど、
多ければ多いほどいいものとされています。
その状態を著者は「知識メタボリック症候群」と名づけました。
世にいう「メタボリック症候群」は 運動 によって解消されますが、
「知識メタボリック症候群」は 忘却 によって解消されるといったことが書いてありました。
コンピューターは 記憶 が得意で、壊れるまで 忘却 しませんが、人間は 忘却 ができる。
また 忘却 は、記憶以上に大切なものとさえ書いてあります。
”忘れること”を前向きに捉えた面白い視点の本でした。
知識は食事のようなもの。食べ過ぎてもいけない。
忘却は排泄のようなもの。ため込み過ぎてもいけない。
しかし、その”忘却”がとても難しい。。。よく寝るってことでしょうか?
1つ残念だったのが、タイトルと関係なさそうなエッセイがほとんどだったため、
途中ほとんど理解できなかったことです。
頭のいい人が考えていることはよくわからないな~と思いながら読みすすめ、
最後の1章でようやくピンときました。