四十九日のレシピ(伊吹有喜著)
■2011年8月2日
亡くなった乙美さんの旦那の熱田さん・娘の百合子が、ギャル井本・ブラジル人ハルミ協力のもと、乙美さんの死から立ち直り、前に進んでいく心温まる49日間の物語です。
乙美さんの「あしあと帳」をみんなで作ることで、沈んだ気持ちがどんどん前へ向いていきます。
料理がとても上手だったこと、とても明るかったこと、世話好きなこと、いつも前向きで弱音を吐かなかったこと、太めなこと、登場人物の乙美と重なる部分が多すぎて、今は亡き母のことを思い出しながら読みすすめました。
乙美さんが結婚する理由で「自分が作ったものを「おいしい」と言ってくれた人」と言うのがありました。
とても単純なことだけど、大事なことが詰まっている、とても共感できる一文でした。
亡くなった母親から今でも多くの影響を受けています。
私にかけてくれた言葉、残っている手紙 何をとっても私にとっては充分なレシピです。
自分は妻や子供にどれだけのレシピが残せるだろうか。
そんな思いになりました。
とても気に入った乙美さんの台詞
「テイクオフ・ボード、飛び箱の踏切板ってあるでしょう。私たちはそれなんです。思い切り走って、板を踏み切って箱を飛んだら、もう思い出さなくていい。過去を飛び越えた事に自信を持って、まっすぐに走っていけばいいんです」
「私も誰かのテイクオフ・ボードになれるようなんです。生きている、生活をする。気にかけることがあり、気にかけてくれる人がいる。それだけ人は誰かを飛ばし、飛ばしてもらい、一緒に前に進んでいる気がします。それは無数の匿名のテイクオフ・ボード、お互いさまだから・・・」
あなたも私も きっと誰かの テイクオフ・ボード・・・
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